Gemini Omniで生成される動画の品質は、その背後にあるプロンプトに大きく左右されます。モデルは短く曖昧な一文にも対応できますが、実際に公開したくなるようなクリップに仕上げているのは、シーン、カメラワーク、テキスト、音声の指示まで具体的に書き込まれたプロンプトです。ここでは、Gemini Omni自身の生成デモから実例を引きながら、思い描いているイメージにより近づけるプロンプトの書き方を紹介します。
正しいモードを選ぶ
AI動画生成には3つの開始方法があり、プロンプトそのものと同じくらいモード選びが重要です。
- テキスト/画像から動画 —— 文章でシーンを説明するか、1枚の画像をアップロードして動かします。既存の素材ではなく、アイデアから始めたいときに最適です。
- 参照から動画 —— 複数の参照画像をアップロードしてキャラクター、製品、ビジュアルスタイルを指定し、それらがどのように動き、組み合わさるかを説明します。ゼロから発想するよりも、特定の見た目の一貫性を重視したいときに最適です。
- フレームから動画 —— 開始点と終了点を設定し、その間の動きをモデルに補完させます。カットの始まりと終わりがすでに明確に決まっている場合に最適です。
優れたプロンプトに含めるべき要素
主体だけを示すプロンプト(「数学を教える教授」など)は、あまりに多くを偶然に委ねてしまいます。Gemini Omniの実際のデモクリップで使われたプロンプトと比較してみましょう。
「眼鏡をかけた中年の教授が、数式でびっしり埋まった緑の黒板の前に立ち、三角関数の恒等式 sin²(x) + cos²(x) = 1 を解説しながら、カメラの方を向く。」
ここで指定されている内容に注目してください。主体と設定、画面に表示する正確なテキスト(数式)、そしてカメラに関わる動作(カメラの方を向く)です。この組み合わせがあるからこそ、Gemini Omniは数式をきれいにレンダリングし、当て推量に頼ることなく意図どおりのフレーミングを保てるのです。
優れたプロンプトには、通常次の要素が含まれます。
- シーンと主体 —— 画面に映るのが誰(何)で、どこにいるか。
- カメラワーク —— プッシュイン、旋回、トラッキングショット、ローアングル、固定カメラなど、思い描いているショットに合わせて指定します。
- 画面上のテキスト —— タイトルや字幕、数式を正確に表示させたい場合は、一字一句そのまま書きます。
- 音声・ボイスの指示 —— セリフや環境音、音楽が結果に影響する場合は、それも指定します。
もう一つ、ほぼカメラワークと照明の指示だけで構成された実例を見てみましょう。
「10秒のシネマティックなクリップを生成する。安定した構図、穏やかなプッシュプル、ローアングルのヒーローショット。超広角のエスタブリッシングショット、わずかに上向きのティルト、崖沿いの土の道の画面下三分の一にヴィンテージのトラベルカー、地平線には遠くの海、ゴールデンアワーのサイド逆光、塵の中にボリューメトリックな光条が差し込む。」
参照画像を効果的に使う
参照から動画の生成では、1つのプロンプトに複数の画像を使用でき、それらを直接指定することができます。あるデモクリップでは、1つの指示の中に5枚の参照画像を組み合わせています。
「@image1 @image2 @image3 @image4 @image5、ワンカットのトラッキングショットで、登壇者がホワイトボードからUIデモ、そして締めのスライドへと移動する様子を追う。黒板に書かれた数式『E = mc^2』とタイトル『Lesson 1: Energy』は、ショット全体を通して常にきれいに表示されるようにする。」
参考にすべきパターンはこうです。参照画像は「何を一貫させるか」(登壇者、ホワイトボード、UI)を固定する役割を担い、テキストプロンプトはそれらをつなぐ「動き」と、全編を通して読みやすく保つべき画面上のテキストを説明する役割を担います。
参照画像は、特定の歌手や俳優を入れ替えつつ、それ以外の動作はすべて同一に保つといった、クリップ全体で一貫したキャラクターや製品の差し替えを行う際にも使えます。
「動画1の女性リードシンガーを、画像1の男性シンガーに置き換える。元の動作に正確に一致させ、余計なカットは入れず、バンドは演奏を続ける。」
チャットで編集・リミックスする
Gemini Omniはチャット上で直接編集できるため、1か所を変更するためにシーン全体を書き直す必要はありません。次の2つの実例は、編集指示をどこまで絞り込めるかを示しています。
「このクリップに映っている一皿のパスタを、一杯のトムヤムスープに置き換える。カメラワーク、照明、盛り付け、テーブルセッティングは変えずそのまま保つ。新しいスープからは自然に湯気が立ちのぼる。」
「このクリップからウォーターマークを取り除く。それ以外は何も変えないこと —— 元のフレーミング、カメラの動き、カラーグレーディング、被写体の演技は完全にそのまま保つ。」
共通しているのは、まず変更したい一点を明確にし、次に変えてはいけない部分を明示的に伝えるという流れです。この後半部分は、思っている以上に重要です —— これがないと、モデルは本来保ちたかった部分まで自由に変えてしまう余地が生まれます。
避けるべきよくある間違い
- 曖昧すぎる:「かっこいい都市の動画」では、モデルが手がかりにできる情報がほとんどありません。ショットの内容、雰囲気、そして少なくとも1つの具体的な視覚的ディテールを指定しましょう。
- カメラワークの指定がない:動きを指定しなければ、モデルのデフォルトの挙動になります。重要であれば明確に指定しましょう。
- 正確な画面上テキストの指定漏れ:字幕、タイトル、数式を正しく表示させたい場合は、あいまいに説明するのではなく、プロンプトに一字一句そのまま書きましょう。
- 一貫性のために参照画像を使わない:キャラクターや製品、スタイルをプロジェクト全体で同じに保つ必要がある場合は、毎回プロンプトで説明し直すのではなく、参照画像をアップロードしましょう。
よくある質問
生成器はどのような入力に対応していますか? テキストプロンプト、または1枚以上の参照画像から生成できます。参照画像は、キャラクター、製品、スタイルの一貫性を保つのに役立ちます。
参照画像は何枚までアップロードできますか? 画像から動画への生成では、複数の参照画像に対応しています。モデルに参照してほしいショットをアップロードし、それらがどのように動き、組み合わさるかを説明してください。
対応している動画の長さや解像度は? 選択したモデルとプランによって異なります。利用可能な長さ、解像度、そして更新されたクレジット消費量は、生成前に表示されます。
クレジットはどのように課金されますか? 生成を開始する前に、その回のクレジット消費量が表示されます。実際に動画を生成したときにのみ課金されます。
生成した動画はダウンロードできますか? はい —— ブラウザ上で完成したクリップをプレビューしてから、MP4をダウンロードするか、別のプロンプトでさらに調整できます。
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